動きを変える
動きを変える
では現実に動きをかえるとはどういうことでしょうか。何か新しいコツを学ぶことなのでしょうか?私も初めてこの動きを甲野先生に見せていただいた時、表面的に目に映る動きを真似すれば出来るものだと思いました。
でも実際は違いました、形を真似してもダメだったのです。形は真似できても中身が何も変わっていなければやはりダメなのです。その動きというのも全然複雑な動きではないのですね。ただ普通に本棚に手を伸ばすような動き。だれでも出来るそんな動き、シンプルだからこそ、中身が大切なのです。
当たり前だと思っているからこそ、変えることに苦労するかもしれません。ただその苦労は厳しいトレーニングが必要なものではなく、自分の中の常識を変えるわけですから、頑固な人ほど難しいと思います。
その常識が動きを伴わない、自分の信念のようなものであれば、もっと変えることは難しいでしょう。どんなに説得されたとしても、嫌なものは嫌ですからね。ただ動きを変えていくのは、実際にその効果を目で見ても、肌で感じても分かりますから、変わってみるとどうして今までこんな簡単なことに気がつかなかったのだろうか、と不思議に思えてきます。
マニュアルではない
その動き方の変え方ですが、普通に頭に浮かぶような学び方ではダメなのです。子供の頃からの「教えてもらう」という姿勢を変えなくてはいけません。ココが一番難しいところです。逆に言えば、どんどん勝手にやっていける人ほど上達するということです。
ですから紹介されている方法をそのまま受け取っていても効果は期待できません。形をまねてやってみる。そこからスタートするのですが、その時に自分は何を感じているのか、という事に目を向けてみてください。きっと今まで気がつかなかった豊かな感覚に驚くと思います。自分の内側を観察する力こそ、身につけるべき力であり、それさえ出来るようになれば、あとはどんどん自分が変わっていくということを楽しめるようになります。
ただ、自分で色々と考える前に「先生の言われた事は絶対なんだ。」、「私はまだ初心者だから、言われたことをしっかりやろう」、とどうしても思ってしまうのですね。もちろんそれはそれで大切なことですが、自分の感じた感覚を信用しなくてはいつまでたっても「自分」は見つかりません。
その時に頼りになるのが、感覚を知っているかどうかです。自分が知らない世界を感じることこそが成長であり、喜びなのですね。それをなにもないところからつかめる人を「天才」というのでしょう。後天的にもその「感覚」を感じておく事で、後からでも身につけることが出来るという事を知ってください。
「よっこいしょ」を無くそう
自分の動きを見ていく時に、ひとつ目安となる感覚があります。「よっこいしょ」という動きです。どうですか?経験ありますよね。立ち上がるとき、座る時、階段を上る時、力を入れる時など、思い当たることがあるはずです。
この「よっこいしょ」ですが、子供にはあまり見られません。理由は動きに滞りがないからです。どこかで詰まってしまうからこそ、「よいしょ」と動かす必要があるわけです。この「詰まり」を解消する能力を身につけることが出来れば動き方は見違えるほどきれいになってきます。
日頃の自分の動き方を見直してみてください。ついつい腕や肩に頼ってはいませんか?まずは気にするところからはじめましょう。はじめは自分が衰えていることを認めるのはつらいかもしれません。でも自分でそれを認めて、意識していかないと問題はいつまでも解決しません。逆に言えば自分の中に分かりやすい「よっこいしょ」が見つかったのなら、すぐにでも変わりますから喜ばなくてはいけません。見つからない人がダメとは限らないのです。
